2023年7月27日、ロシアの国営通信社であるタス通信は、国際刑事裁判所(ICC)の裁判官である日本人の赤根智子(あかね ともこ)判事を、ロシア内務省が指名手配したと報じました。
さらに、2025年2月にはトランプ米大統領が赤根智子判事を含むICCの関係者に制裁をかける大統領令に署名。
※ニュースによって、赤根智子さんの肩書を「裁判官」と書いてあるものもあります!
このニュースを聞いて、多くの日本人が「赤根智子さんって誰?」「どんな人?」と思ったのではないでしょうか。
そこで、この記事では、赤根智子さんの経歴や、出身高校や大学など学歴についてもご紹介していきます。
また、簡単にプロフィールもまとめてみました。
■赤根智子の出身高校はどこ?
■赤根智子の出身大学はどこ?
■赤根智子の経歴まとめ
■赤根智子のプロフィール
赤根智子の出身高校はどこ?
赤根智子さんの出身高校は、愛知県立旭丘高等学校です。
1972年4月に入学されて、1975年3月に卒業されています。
【愛知県立旭丘高等学校】 | |
所在地 | 愛知県名古屋市東区出来町3-6-15 |
公式ホームページ | https://aichi-asahigaoka.ed.jp/ |
偏差値 | 58~71※2025年度版 |
愛知県立旭丘高等学校は、2025年度の偏差値は「58-71」!
赤根智子さんが在籍されていたのは1970年代で随分と前ですが、当時からかなりレベルの高い高校だと思われます。
著名な卒業生として、名古屋市長の河村たかし氏、ソニー創業者の盛田昭夫氏、写真家の浅井慎平氏が挙げられます。
その他にも、多くの政治家やアナウンサーを輩出しています。
赤根智子の出身大学はどこ?
冒頭でもお伝えしていますように、赤根智子さんは東京大学法学部を卒業されています。
赤根智子さんは、1956年6月28日 生まれで、1980年に東京大学法学部を卒業後、司法修習を経て、1982年に横浜地方検察庁の検事になりました。
その後、1989年に一度休職をして、アメリカのジャクソンビル州立大学に進学され、修士を取得されています。
赤根智子さんは、元々、海外志向が強かったのかもしれませんね。
そういう意味では、国際刑事裁判所で仕事をされるということは、若い頃からの夢が叶ったということかもしれません。
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赤根智子の経歴まとめ
では、赤根智子さんの経歴について、ご紹介していきます。
赤根智子さんは、1956年6月28日 生まれ。
2025年の誕生日で69歳になられます。
1980年に東京大学法学部を卒業されたところから、赤根智子さんの経歴を追っていきます。
まずは、赤根智子さんの経歴を表にまとめてみました。
1980年 | 24歳 | 東京大学卒業 |
1982年 | 26歳 | 検事になる |
1989年 | 33歳 | 休職・アメリカへ留学 |
1990年 | 34歳 | ジャクソンヴィル州立大学 大学院刑事司法コース修了 |
1991年 | 35歳 | 検事復帰・仙台地方検察庁へ |
1994年 | 38歳 | 東京地方検察庁検事に |
2000年 | 44歳 | 札幌地方検察庁の公判部長に着任 |
2002年 | 46歳 | 国連アジア極東犯罪防止研修所の次長に着任 |
2005年 | 49歳 | 名古屋高等検察庁へ |
2009年 | 53歳 | 法務省法務総合研究所の国際協力部長に着任 |
2010年 | 54歳 | 函館地方検察庁の検事正に着任 |
2013年 | 57歳 | 法務省法務総合研究所の国際連合研修協力部長に着任 国連アジア極東犯罪防止研修所所長にも着任 |
2014年 | 58歳 | 法務省法務総合研究所所長 |
2016年 | 60歳 | 最高検察庁へ 外務省の国際司法協力担当大使にも着任 |
2017年 | 61歳 | 国際刑事裁判所の裁判官に選出される |
2018年 | 62歳 | 国際刑事裁判所の判事へ |
2024年 | 68歳 | 国際刑事裁判所所長に着任 |
この後、それぞれをもう少しだけ詳しくみていきましょう。
東大卒業後、検事に
赤根智子さんは、1980年に東京大学法学部を卒業後、司法修習を経て、1982年に検事になられました。
その後、33歳で休職し、1989年に、アメリカに留学。
1990年には修士を取得されました。
帰国後、1991年に検事に復帰されています。
このとき、赤根智子さんは35歳でした。
検事として、横浜・名古屋・仙台・東京の各地方検察庁で勤務をされました。
【検事の仕事とは】
警察から送致された事件について引き続き子細な捜査を行い、被疑者を起訴するか否かを判断します。
検察官は社会で起きたあらゆる犯罪について、被疑者を起訴するかどうかを決めることが出来る唯一の機関です。
引用元:伊藤塾
札幌地方検察庁へ
復帰後も、各地で検事として勤務された後、2000年からは札幌地方検察庁の公判部長に着任されます。
この時、赤根智子さんは44歳。
「公判部長」と言われても、素人には何をやる方なのかピンと来ませんよね。
公判部長という肩書ではありますが、どうやら検事であることには変わらないようです。
国連アジア極東犯罪防止研修所へ
2002年からは、国連アジア極東犯罪防止研修所の次長に着任されます。
この時、赤根智子さんは46歳。
国連アジア極東犯罪防止研修所は、「アジ研」又は「UNAFEI(ユナフェイ)」と呼ばれます。
この辺りから、赤根智子さんは海外でのお仕事を始められたことになるようです。
主要な業務は,各国の刑事司法実務家を対象とする国際研修及びセミナーの実施,犯罪防止及び犯罪者処遇に関する研究などであり,国連の政策と取組に沿いつつ,アジア太平洋地域を始めとする各国の刑事司法の健全な発展と相互協力の強化に努めています。
引用元:国連アジア極東犯罪防止研修所公式ホームページ
名古屋高等検察庁へ
2005年からは、名古屋高等検察庁の検事として勤務されました。
この時、赤根智子さんは49歳。
18年以上勤務されていたのは「地方検察庁」でしたが、今回は「高等検察庁」ですね。
前職は「国際」でしたので、素人の私には、世界相手の業務から、国内の業務に戻られたような印象を受けます。
でも、今回は「高等検察庁」ですから、やはり「昇進」したことになるんでしょうね。
高等検察庁は,検事長を長とし,高等裁判所に対応して設置されています。
高等検察庁は,日本8カ所に設置されています。
地方検察庁は,検事正を長とし,地方裁判所・家庭裁判所に対応して設置されています。
引用元:LSC綜合法律事務所
法務省法務総合研究所へ
2009年からは、法務省の「法務総合研究所」で「国際協力部長」として勤務されました。
この時、赤根智子さんは53歳。
法務総合研究所とは何をするところなのか調べてみると・・・
法務に関する調査・研究、法務省の職員に対する研修等を行う法務省の施設等機関(法務省設置令第57条)。
引用元:Wikipedia
そして、この「法務総合研究所」の中にある「国際協力部(ICD)」というのは、何をするところなのか調べてみると・・・
法務省が行う国際協力の一環として,関係機関と協力してアジア諸国に対する基本法令の起草・改正,司法制度の整備,法曹人材の育成への支援などの法整備支援活動を行っています。
引用元:法務省の公式ホームページより
名称通り、法律の分野で国際協力をする国の機関というわけですね。
函館地方検察庁へ
2010年からは、また地方検察庁へ。
今度は、函館です。
しかし、ここでの肩書は「検事正(けんじせい)」で、地方検察庁のトップ検事ということ!
再び 法務省法務総合研究所へ
2013年には、再び法務省法務総合研究所へ。
今回の肩書は、「国際連合研修協力部長」。
前回(2009年~)の「国際協力部長」とちょっと違いますが、業務内容の違いはわかりませんでした。
さらに、「国連アジア極東犯罪防止研修所」の所長にも就任されました。
前回(2002年~)は「次長」でしたので、所長に格上げされましたね!
こちらは、兼任のようです。
さらに、翌年2014年には、法務省法務総合研究所所長に就任されます。
最高検察庁&外務省の大使へ
2016年、赤根智子さんはとうとう「最高検察庁」の検事に!
さらに、外務省の国際司法協力担当大使にも就任されます。
この時、赤根智子さんは60歳!!!
地方検察庁から、高等検察庁、そして最高検察庁!!!
検事として、登り詰めたって感じですよね。
【最高検察庁とは】
最高裁判所に対応する検察庁で,東京に1か所だけあり,高等裁判所が行った刑事事件の裁判に対し上告された事件などを取り扱います。
引用元:最高検察庁公式ホームページ
外務省の国際司法協力担当大使というのは、何をする方なんでしょうか。
調べてみましたが、よくわかりませんでした。
先ほどご紹介した「法務総合研究所の国際協力部」は法務省の管轄。
そして、今回は外務省の管轄。
今回の方が、より「国際協力」として海外への影響力が大きな部署のような気がします。
国際刑事裁判所/裁判官へ
2017年、赤根智子さんはニューヨークで行われた「国際刑事裁判所」の裁判官選挙に立候補!
見事当選されました!
この時、赤根智子さんは61歳!!!
12月4日(米国東部時間),ニューヨークで開催されている国際刑事裁判所(ICC)第16回締約国会議において,ICC裁判官選挙が行われ,我が国から立候補していた赤根智子(あかね・ともこ)国際司法協力担当大使兼最高検察庁検事が当選したことを歓迎します。
引用元:外務省公式ホームページ
国際刑事裁判所/判事 へ
2017年に国際刑事裁判所の裁判官に選ばれた赤根智子は、翌2018年には、国際刑事裁判所の判事になりました!
これは、日本人初の大快挙!
任期は、2027年までの予定です。
2022年に、 国際刑事裁判所判事として、ロシアのウクライナ進行情勢に関連して、戦争犯罪等の捜査開始申立て事件を担当。
その結果、ロシアのプーチン大統領と、マリア・リボワベロワ氏(子供の権利を担当する大統領全権代表)に対して逮捕状が出ています。
このことから、今度は逆にロシア側が、赤根智子さんに対して指名手配するという事態に発展したと思われます。
国際刑事裁判所/所長に
赤根智子さんは、2024年3月、国際刑事裁判所所長に就任されました。
集団殺害や人道に対する罪、戦争犯罪などに関与した個人を訴追する国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の所長選挙が11日、非公開で行われ、赤根智子判事(67)が選出され、所長に就任した。
2002年に設立された、ICC(国際刑事裁判所)の所長に日本人が選出されたのは初めてのことです!
ロシアウクライナ侵略での、戦争犯罪・イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘での国際法違反を追及するICCのかじ取りを担っています。
12月18日、#岩屋外務大臣 は、赤根智子 #国際刑事裁判所(#ICC)所長による表敬を受けました。https://t.co/kc39t2rH2n pic.twitter.com/FuhKtJ40bC
— 外務省 (@MofaJapan_jp) December 18, 2024
赤根智子のプロフィール
赤根智子さんは、今回ご紹介した通り、法律の専門家として国内外でご活躍されてきました。
数年単位で勤務先も転々とされていますので、プライベートはどのような感じなのかと気になりましたが、ご結婚経験がありました!
お子さんも、娘さんがひとり。
しかし、あまりにも多忙な生活を送っていたことも原因なのか、離婚を経験されています。
娘さんの育児については、赤根智子さんのご両親が全面的に協力してくださっていたようです。
娘さんは、特に幼少期から思春期にかけては、母親である赤根智子さんと過ごせる時間が少なく、寂しい思いもされたかもしれませんね。
しかし、現在のご活躍ぶりから、お母さんのことを誇りに思ってくださっていたらいいなと思います。
氏名 | 赤根 智子 (あかね ともこ) |
生年月日 | 1956年6月28日 生まれ |
年齢 | 2025年の誕生日で69歳 |
出身地 | 愛知県 |
出身高校 | 愛知県立旭丘高等学校 |
出身大学 | 東京大学法学部 ジャクソンビル州立大学(アメリカ合衆国) |
まとめ
今回の記事では、2023年7月27日に突然ロシアから指名手配された赤根智子さんについて、ご紹介しました。
赤根智子さんは、1956年6月28日 生まれ。
2025年の誕生日で69歳になられます。
愛知県の出身で、県立旭丘高校を卒業されるまで地元で過ごされた後、東京大学法学部を卒業し、検事になりましたが、その後休職。
アメリカのジャクソンビル州立大学へ進学、修士を取得されています。
その後も、検事として長年ご活躍されて、日本だけでなく国際的な問題にも取り組まれてきました。
その集大成として、2018年に国際刑事裁判所の判事に就任され、その後2024年には、国際刑事裁判所に就任されています!
今回は、ロシアのウクライナ侵攻の件で、赤根智子さんが世界を相手にご活躍されていることを、多くの日本人が知ることとなりました。
同じ日本人として、赤根智子さんのことを応援したいですね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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